ページの先頭です
ページ内を移動するためのリンクです
サイト内移動メニューへジャンプ
本文へジャンプ
フッターメニューへジャンプ
ここからサイト内移動メニューです
サイト内移動メニューをスキップしてサイトの現在地表示へジャンプ

「コーヒーノキ」

 週末、紅葉の植物園を散策して来ました。園内は渋い色合いの木々の葉が常緑樹の葉とのコントラストを表現して、大変秋らしい風景でした。
 園内には熱帯植物園があり、ビニールハウスのような建物で外気から遮断され、少々高い湿度で管理されています。国内、特に関東周辺ではほとんど見られない様々な種類の葉や花や実が、まるで陣地合戦をするかのように所狭しと並んでいます。きちんとした温度や湿度の下で常に管理されているからでしょうか、どの植物にも勢いがあり、熱帯植物園の外に広がる冬支度の風景とは随分異なる様子です。
 濃い、深い色あいの熱帯植物の茂る中で、私が足を止めたのは「コーヒーノキ」の前でした。「コーヒーノキ」はちょうど人の背丈ほどの高さで、赤茶色の実をいくつかつけています。その木の前に立つ案内板の記載は「ブルーマウンテン種」。高級種といわれるブルーマウンテンのコーヒー豆というのは、この「コーヒーノキ」のブルーマウンテン種から取れる実を焙煎したものなのでしょう。
 私は毎日たくさんのコーヒーを頂いていますが、ほろ苦く、眠気をさます効果までもつコーヒーの実がこのようにかわいらしいものであることを初めて知りました。また、これまでコーヒー豆にこだわりもなかったため、コーヒーの味が「コーヒーノキ」の種によって異なる、ということも深く考えたことはありませんでした。
 最近小中学校で、食育教育と呼ばれる、自分の口にしているものがどのように生育するのか、実際に目で見、体験しながら考える授業が行われていると聞きます。これまで多くのコーヒーを飲んできながら、今まで考えたこともなかった植物としてのコーヒーを目の当たりにして、私は温度差による外気の冷たさを感じつつ少々ほっとした気分になったのでした。


広報委員会委員 吉田 あかね 
(2008.12.4データ更新)