一芸に秀でる。
私は会計士業界で働きはじめて間もなくスノーボードと出会い、趣味として続けている。いつの間にかもう10年近くになる。好きこそものの上手なれ、とはよく言ったもので、長く続けているうちに、いつの間にかインストラクター資格を取ったり、草大会で優勝したり、最近では全日本選手権出場枠内に入ってしまう程になっていた。このために沢山の時間とお金を費やし、体をあちこち痛め、職場ではキチンと仕事を済ませているか疑惑の目(?)を向けられてきた。しかし、その爽快感や緊張感、自然との触れ合いは素晴らしく、また、数多くの友人を得ることができた。
そんな中で貴重な出会いもある。世界で戦うトッププロ選手やデモンストレーター達と色々と縁が出来た。現役もいれば、既に引退したベテランもいる。国を代表するレベルの彼らの技術やノウハウが凄いのは当たり前なのだが、それよりも驚かされるのは、その「人間性」である。スノーボーダーはマナーが悪いとか、チャラチャラしたイメージを持っている方もいると思うが、彼らはそんなイメージとは全く異なり、色々な意味で人間が出来ており、単純に「カッコいい」のである。職業スポーツ選手の世界は想像を絶する程にシビアなものがあり、そこで勝ち続けることは相当な努力とそれを支える卓越した精神力のなせる業なのだ、とよく思い知らされるのである。
会計士業界で働いていると、世間で大成功している経営者の方々と幸運にもお話する機会があるわけだが、この感覚はその時に感じるものと共通するものがある。一言で表現することは難しいが、本当に実力のある人間がかもし出すオーラというか、器の大きさというか。
人生とは山を登っているようなものであり、登り始める道は違っていても登って行くにしたがって道は近づいていき、頂上に行くと実は同じ場所に着いているのではなかろうか。まだまだ未熟な私には頂上からの風景がどのようなものか想像すら出来ないわけだが、私なりに選んだひとつの「道」を信じて登っていこうと思うのである。頂上からの風景とはどんなものかと想像しながら。
広報委員会 本橋 広行
(2008.3.17データ更新)