「モモ」という物語をご存知でしょうか?
「モモ」という物語をご存知でしょうか?ドイツのミヒャエル・エンデという人の作品で、前から気になっており、最近読み始めました。この物語の主題は「時間」で、人々が(今風に言うと)「スローライフ」を送ってきたある街(ローマであるように私は感じました)が舞台です。
この街に「灰色の男たち(時間泥棒)」が現れ、人々に時間を節約して出来るだけ長時間働く(多くの仕事をこなす)よう唆します。そうすれば、将来ゆったりした時間が手に入るというのです。その結果、街の人々は、だんだん表情が険しくなっていき、落ち着きなく怒りっぽくなっていくのです。時間を節約する為の新しい文明の利器が「人間が将来“本当の生活”ができるようになるための時間のゆとりを生んでくれる」と喧伝され、大きな工場や会社の職場には「時間は貴重だ、無駄にするな!」という標語が掲げられます。
そして、登場人物の一人であるニコラ(左官屋)は手を落ち着きなく泳がせながら、主人公のモモにこうつぶやきます。
「なあ、俺は今どうなってると思う?もう昔のようじゃないんだぞ。時代はどんどん変わるんだ。今俺のいる向こうじゃ、まるっきり違うテンポで進んでいる。まるで悪魔みたいなテンポだ。1日でビルの1階丸ごとが出来上がっちまって、それが毎日、次々と出来ていく。全く、昔とはまるで違う!何もかも組織だっていて、手をひとつ動かすにも決められたとおり、いいか、1つ残らずきちんと決まってるんだぞ…(我々の業界も似てきたのでは?)」ニコラはこうやって話し続け、モモはじっとそれに耳を傾けていました。でも話が先に行けば行く程、口調はだんだんと初めの元気をなくしていきました。
これは、ファンタジーというジャンルの物語でありますものの、読み進むうちに「灰色の男たち」は本当にいるのでは、と思うようになってきました。というのも、去年までと比べて、今年の夏休みが半分以下になっているからです。悲しいです。皆さんの周りにも現れるかもしれません。「時間泥棒」にご用心!
この街に「灰色の男たち(時間泥棒)」が現れ、人々に時間を節約して出来るだけ長時間働く(多くの仕事をこなす)よう唆します。そうすれば、将来ゆったりした時間が手に入るというのです。その結果、街の人々は、だんだん表情が険しくなっていき、落ち着きなく怒りっぽくなっていくのです。時間を節約する為の新しい文明の利器が「人間が将来“本当の生活”ができるようになるための時間のゆとりを生んでくれる」と喧伝され、大きな工場や会社の職場には「時間は貴重だ、無駄にするな!」という標語が掲げられます。
そして、登場人物の一人であるニコラ(左官屋)は手を落ち着きなく泳がせながら、主人公のモモにこうつぶやきます。
「なあ、俺は今どうなってると思う?もう昔のようじゃないんだぞ。時代はどんどん変わるんだ。今俺のいる向こうじゃ、まるっきり違うテンポで進んでいる。まるで悪魔みたいなテンポだ。1日でビルの1階丸ごとが出来上がっちまって、それが毎日、次々と出来ていく。全く、昔とはまるで違う!何もかも組織だっていて、手をひとつ動かすにも決められたとおり、いいか、1つ残らずきちんと決まってるんだぞ…(我々の業界も似てきたのでは?)」ニコラはこうやって話し続け、モモはじっとそれに耳を傾けていました。でも話が先に行けば行く程、口調はだんだんと初めの元気をなくしていきました。
これは、ファンタジーというジャンルの物語でありますものの、読み進むうちに「灰色の男たち」は本当にいるのでは、と思うようになってきました。というのも、去年までと比べて、今年の夏休みが半分以下になっているからです。悲しいです。皆さんの周りにも現れるかもしれません。「時間泥棒」にご用心!
広報委員会 市瀬 俊司
(2006.8.3データ更新)