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Coffee Break

日本公認会計士協会広報委員会からのメッセージをお届けします。

あの頃不思議に思ったことは・・・

『ダイバーシティ』という言葉をご存知ですか。今や多くの企業に取り入れられ、関心度は非常に高くなっています。多様性、すなわち人種・宗教・性別等の枠を超えて広く人材を登用することにより、様々な意見が集まり、そこで議論することによって、より良いものを生み出すというものです。企業活動が国際化して、遠く離れた地域の出来事が企業活動に影響を与え、また消費者のニーズが多様になった現在は、これらの変容に柔軟に対応するために、『ダイバーシティ』が必要な時代と言えるのです。

欧米諸国とは異なり、日本では人種・宗教の差がほとんどなく、女性の雇用や役職者登用などに内容が絞られる傾向にありますが、決して女性の問題に限られたものではありません。老若男女、様々な立場・経験・環境の人間が集まることで、それぞれの意見が衝突すると期待され、その際、信念を持って議論を重ねることにより、その企業組織の進むべき道が見えてくるという、組織そのものの問題なのです。同じ思考回路の人間が集まって結論を出すよりも通常は煩雑で時間がかかり、決して楽な方法ではありません。

さて、“意見が衝突する”と言いましたが、先日拝聴したあるセミナーでは、一つの問題が指摘されていました。日本企業の構成員は、長くその組織に属することにより一定の企業風土に染まっているため、新たに登用しても衝突するような意見が出難いというのです。意見が衝突すれば効果があるというものでもなく、究極的にその企業のためになることを進言できなければ意味は無いのですが、たとえ立場が異なっても、皆同じ思考回路では、柔軟で有効な意見への期待は低くなります。

社会に出たばかりの頃、“変だな”、“なぜこうなるのだろう”と思ったことはありませんか?今、その問題についてどのように感じていますか?疑問すら持たず、当たり前のことになってはいないでしょうか。企業経営は経営者が舵を取りますが、構成員の個々の意識もまた、組織を維持発展させていくための大切な力になっています。“本当に必要なことは何なのか”を個々人が考え、主張する力を時代は求めているようです。
 

広報委員会委員 鈴木 真紀恵
(2010.4.1 データ更新)

日めくり本の楽しさ

 仕事納めの日、年末年始に読む本を探すべく東京駅前の本屋さんに飛び込みました。文庫、新書、単行本とそれぞれ数冊ずつ購入して家路についたのですが、その中で年明けから読み始めているのが以下の本たちです。 

1.『選りぬき一日一書』石川九楊著、新潮文庫

 書家である著者が、日本や中国の文献から一日一字を選び、その字義や歴史文化、生活習慣を独特の語り口で紹介し、様々な書の魅力を毎日味わえる日めくりエッセイ集です。一月一日は「旦」・・・雲を表す「一」の上に姿を現した「日」、つまり朝の意味。とコメントされて始まり、そして大晦日は「去」・・・嫌な思いは捨て去り、来る年に希望を持ちましょうということで366日が終わります。
 経理財務関係者や公認会計士の皆さんに馴染み深い「財」の字は10月17日に出ています。その次の日は「狸」、思わず苦笑してしまいます。真面目な解説の中に、著者のユーモアや諧謔味がただよう本なのです。 

2.『一日一名言―歴史との対話365』関厚夫著、新潮選書 

 著者は産経新聞東京本社編集委員、産経新聞朝刊に連載された『次代への名言』を全面的に書きかえたものです。その趣旨は、一年365日のその日、その日にちなんだ人物や歴史的な出来事に関わる「名言」を見出しで紹介し、本文でその背景を説明するとその序で説明されています。
 例えば、1月20日 私の誕生日のページを開けて見ると『世界中の市民諸君、米国があなたたちのために何をするかではなく、われわれがともに人類の平和のために何ができるかを問いかけよ』とあります。1961年1月20日 J.F.ケネディ米国大統領就任演説会での有名な一節でした。改めてこれを読むと、昨年プラハでのオバマ大統領の演説も、この名演説に連なるものであると感じました。 
 

3.『名曲のこよみー折々のクラシック』近藤憲一著、河出書房新社 

 著者は音楽之友社「レコード芸術」と「音楽の友」の編集記者を務めた後、フリーランスになり、音楽関係の執筆を続けられている方です。この本は、年末に買った本ではないのですが、私が愛用している日めくり本の1冊であり、上記2冊のジャンルとは異なるので、併せてご紹介させてください。
 本書は、日めくりカレンダーのように、一日一曲、1テーマで毎日のほんのちょっとの時間で読めます。一年366日一日ごとのテーマとしては、有名な作曲家と演奏家の誕生日や命日、名曲が初演された日などなどを解説してくれる楽しい本です。これも1月あたりをペラペラ括っておりますと、ありました。 1756年1月27日 W.A.モーツァルトの誕生日です。著者は、モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス」をあげていますが、おまけに私からもとっておきの名曲、名演奏(CD盤)を1枚推薦させてください。
(曲名)ピアノ協奏曲第26番ニ長調「戴冠式」K.537&第27番変ロ長調K.595 
(演奏)ピアノ:R.カザドシュ、ジョージ・セル指揮コロンビア交響楽団(Sony) 


 日めくり本の良さは、本の前後を行きつ戻りつ、どこからでも読み始められ、いつでも止められので、自由気ままかつ気軽に読書気分が味わえるところでしょう。さらに1年間読みとおす中で、様々なことが想起され、刺激を受け、少しは勉強しなければと尻を叩かれる気持ちになること請け合いなのです。
 皆さんも、日めくり本を机のまわりに何冊か並べてみてはいかがでしょう。
 

広報委員会委員 臺 祐二 
(2009.12.09データ更新)

 


 

フィギュアスケートのジャンプを見分ける

 「トリプルルッツからトリプルトゥーループへのコンビネーション」フィギュアスケートを見ていてこんな実況を耳にした人は多いだろう。最近では浅田真央選手や安藤美姫選手の活躍によりフィギュアスケートをテレビで見る人も増えていると思うが、いったいどれだけの人がこのジャンプの得点について理解できているのかは疑問である。
浅田真央選手の代名詞であるトリプルアクセルは見た目にも区別がつくので成功・失敗がわかりやすいが、実はジャンプには他にも5種類ありそれぞれ難易度と得点が全く違うのである。フィギュアスケートはなんとなく見ているだけでもおもしろいと思うが、ジャンプの種類と難易度、得点を頭に入れておけばより楽しめることは間違いない。厳密にルールを書き出すときりがないため、ここではジャンプの見分け方と得点(3回転ジャンプを前提)について簡単に説明したい。見分けるポイントは助走の向きと足の右左、それと踏み切り方である。

トリプルトゥーループ(4点):右足で後向きに助走し踏み切る際に左足のつま先で地面を蹴って跳ぶ一番基本的なジャンプ。両足でジャンプしているように見える。
トリプルサルコウ(4.5点):左足で前向きに助走し後ろ向きにターンしながらその勢いで左足で跳ぶジャンプ。踏み切る直前に脚が「ハ」の字に見える。
トリプルループ(5点):右足で後向きに助走しそのままの体勢で右足で跳ぶジャンプ。踏み切る直前に体が沈みこむように見える。
トリプルフリップ(5.5点):左足で前向きに助走し後向きにターンしながら右足のつま先で体の後方の地面を蹴って跳ぶジャンプ。見た目は右足のつま先だけで踏み切っているように見える。
トリプルルッツ(6点):左足で後向きに助走しそのままの体勢で右足のつま先で体の後方の地面を蹴ってジャンプするジャンプ。フリップ同様、見た目は右足のつま先だけで踏み切っているように見える。
トリプルアクセル(8.2点):右足で後向きに助走し前向きにターンしながら左足に足を置き換え、そのまま左足で前向きに跳ぶジャンプ。前向きにジャンプするが着氷は後向きであるため他のジャンプよりも半回転多い。

このように同じ3回転ジャンプでも種類によって得点は大きく違う。トリプルアクセルがいかに大技であるかということもこの得点を見れば納得できるだろう。ただし、上記はあくまで基礎点であって、これに出来映えによって±3点までが加減算されることになる。たとえばキムユナ選手は大技はないものの得点が高いのは出来映えでの加点が多いためである。

このほかにもフィギュアスケートにはスピンやステップなど要素は盛り沢山であるが、やはり一番の醍醐味であるジャンプの種類と基礎点だけでも覚えておけばフィギュアスケートの見方の楽しみが広がることは間違いないはずだ。これから全日本選手権、四大陸選手権、そして来年の2月にはバンクーバーオリンピックとフィギュアスケートが一番盛り上がるシーズンだ。助走と踏み切りに着目して日本選手の演技に一喜一憂してみてはいかがだろうか。


広報委員会委員 清水 健太郎
(2009.12.09データ更新)