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第1章 国際会計基準審議会(IASB)の組織のあり方を巡る議論 02

2.新組織の定款

新たな定款は、A、B、Cの3つの部分から構成され、Aには組織の名称、目的及び評議会の任命等の新たな組織構成上の基本的部分、Bには新組織の運営方法の詳細が定められている。Cには、新組織が成立するまでの暫定的な機関の手当てとして従来の定款の一部が転用されている。

(1)IASCの目的

従来の定款では、IASCの目的として、財務諸表を作成する際参考にされる会計基準を作り、それを世界から認められ参考にされるように促進し、また会計基準及びその他の関連ルールの改善及び調和に努めることとされていた。これに対し新定款では、世界の資本市場の参加者が意思決定を行うのに資するような高品質の、透明で比較可能な財務情報に必要な、高品質で理解しやすく、利用しやすい一組のグローバルな会計基準を作ることと明確に打ち出された。また、各国の基準とIASを統合することを目指すとされた。

(2)組織及び構成メンバー

新たなIASCの組織は、有限責任の法人となり、運営はすべて評議会と理事会で行われる。

(3)評議員

評議員の構成については、前述の通りであるが、評議会は資金調達、有限責任法人の適切な場所における設立、年次報告書の作成等の義務を負う。評議会の定足数は60%であり通常の議決は過半数で決せられるが、定款の変更、評議員の任免等は全評議員の75%の賛成を要する。評議員の議事は、人事案件等の例外を除き原則として公開される。新しい定款が発効してから3年後に、世界経済の状況の変化に基づいて、公共の利益のため、評議員の地域割りの状況も含むIASCの組織に変更が必要かどうかについて、コメントを一般に求め、それに基づき再検討するとされた。
最初の組織は3年後に見直しされ、変更が必要な場合5年毎に見直しが行われる。
この他の評議会の任務は次の通りである。

  • 理事会のメンバーの任命と必要な場合の除名、リエゾンの決定
  • 解釈指針委員会と基準諮問委員会のメンバーの決定と必要な場合の除名
  • IASCの年次戦略と予算の決定及び資金調達
  • IASの普及を含む広範な会計基準に関する戦略のレビュー
  • 理事会、解釈指針委員会、基準諮問委員会の運営方法の決定
  • 必要な場合、定款の変更を、基準諮問委員会の意見を聴取し公開草案を公表後、決定すること。

(4)理事会

理事の構成については、前述の通りである。公開草案、基準、解釈指針の決定には14人中8人の決議が必要であるが、ディスカッション・ペーパー等の公表は過半数で決定できる。
また、7カ国のリエゾン国が指定されており、理事会は、リエゾン関係(各国会計基準設定主体と理事会との連携)を通じて、次のような関係を保持することとされた。
理事会と各国会計基準設定主体とは、互いに作業計画を調整し、理事会が取り上げた議題を各国会計基準設定主体も同時に取り上げて検討を行い、また、各国会計基準設定主体が取り上げた議題を理事会も検討を行うこと。
理事会の公開草案が公表されるのと同時期に、各国会計基準設定主体も同一テーマについての公開草案を公表し、自国での基準化を図ること。
このように、リエゾン国となることは、自国の会計基準を相当程度IASと調和化させるという意思があることが前提となっており、理事会は、このようなプロセスを経て、究極的には理事会と各国会計基準設定主体との会計基準設定プロセスを統合することを期待している。
すべての理事は公共の利益とともにIASCのフレームワークを尊重する義務を負う。常勤の理事は、出身組織との間で経済的及び身分的独立性を厳しく求められ、理事任期満了後、出身組織に帰任する約束をしてこないこととされる。その他、理事会の任務は次の通りであり、技術的な事項に限られている。
IAS及び公開草案の公表と解釈指針の承認。従前と異なり、反対意見の公表が義務付けられる。
すべてのプロジェクトにおいて公開草案は公表され、重要なプロジェクトにおいては、通常、原則案及び類似の検討書を公開する。
技術的な面では裁量権を持ち、起草委員会を組成したり、各国の基準設定機関に作業をアウトソーシングできる。

合理的な時間内に広い範囲の意見を求めること、重要なプロジェクトでは起草委員会や基準諮問委員会の意見を徴すること、IASや公開草案の公表に際して結論の背景も公表すること。
すべてのプロジェクトに求められることではないが、公聴会を開くこと。
同じくすべてのプロジェクトに求められることではないが、フィールドテストを行い基準の実施可能性を確かめること。

(5)解釈指針委員会

従前と大きな変更はなく、評議員によって任命された任期3年の12人で構成される。

(6)基準諮問委員会

評議会で任命された任期3年の約30人で構成され、広く国際的な財務報告に利害のある、地域的及び職業的に広がりのある個人及び団体(の代表)で構成され、理事会にテーマの選択や作業の優先順位に関する助言を与え、基準設定に関わる様々な分野からの見解を伝え、その他必要な助言を与える。少なくとも年3回は開催される。

新組織への移行時期は、活動資金の調達の目処が立つまで決定していなかったが、2001年4月から移行することが決定し、米国デラウェア州に「IASC Foundation(国際会計基準委員会財団)」という名称の法人格を持つ組織が設置された。IASCの名称は、国際会計基準審議会(IASB)とされ、その拠点は従来どおりロンドンに置かれたが、同年6月にオフィスが現在のキャノン通りに移転された。

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